2014 年 56 巻 8 号 p. 2386-2392
症例は51歳,男性.他院での人間ドックで胃アミロイドーシスが疑われ紹介受診した.胃内視鏡検査で胃体中部の前壁小彎寄りに約5×3cm大の境界明瞭な陥凹性病変を認め,生検にてアミロイド沈着(AL型)が確認された.PET-CT検査を含む諸検査で胃以外にアミロイド沈着は認められず,胃限局・陥凹型(IIc+IIa型類似)のアミロイドーシスと診断した.6年前の他院での見直しの胃内視鏡や生検像でも同様の病変が認められた.6年間病変の進展がみられなかった胃限局性の陥凹型アミロイドーシスの一例を経験したので,文献的考察も含めて報告する.