日本消化器内視鏡学会雑誌
Online ISSN : 1884-5738
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症例
Lynch症候群に発症し急速に進行したIIc類似進行大腸癌の1例
後藤 規弘山口 大介田中 泰敬臼井 智彦中井 喜貴藤井 茂彦畦地 英全日下 利広國立 裕之安原 裕美子
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2013 年 55 巻 12 号 p. 3770-3775

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抄録

症例は64歳女性.家族歴に胃癌(父),腎癌(弟),卵巣癌(長女),神経膠芽腫(長男)があり,既往歴は子宮体癌(49歳),直腸癌(57歳),横行結腸癌(59歳)の手術施行後であった.大腸癌術後に1年毎に施行されていた下部消化管内視鏡検査にて上行結腸に15mm大の平坦陥凹病変を認め,IIc類似進行大腸癌と診断し右半結腸切除術を施行した(Stage IIIb,pT3N2M0).ミスマッチ修復遺伝子検査ではMSH2の変異を認めLynch症候群と診断された.Lynch症候群では,本症例のように急速な進行をきたす病変を念頭に置いてサーベイランスを行う必要がある.

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© 2013 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会
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