2013 年 55 巻 8 号 p. 2183-2188
症例は66歳女性.嚥下時のつかえ感を主訴に当院受診し,上部消化管内視鏡検査にて胸部食道に,基部が粘膜下腫瘍様の隆起で頂部に白苔を伴う20mm大の亜有茎性病変を認めた.亜有茎性病変からの生検では血管腫様の所見で,食道に発生したpyogenic granulomaと診断した.嚥下時のつかえ感があったためESDを施行した.食道pyogenic granulomaは本邦では16例報告されているが,亜有茎性病変の基部に粘膜下腫瘍様の病変を伴った症例は自験例のみで,ESDの手技を用いることで大量出血することなく完全切除することが可能であった.