2009 年 51 巻 4 号 p. 1172-1180
新しいバルーン内視鏡としてシングルバルーン内視鏡が開発された.これは,内視鏡本体にはバルーンはなく,外筒の先端にのみバルーンがあるため,セッティングや操作方法が簡明である.外筒を進めるときの腸管の把持はバルーンではなくアングル操作によって行う点に特徴がある.また外筒にツメが付いており,一人法による内視鏡操作が容易となっている.本稿では挿入の実際について解説し,さらに小腸管腔内のクリスタルバイオレットによるマーキング法や点墨方法,炭酸ガス送気や先端キャップを用いた挿入性の改善についても言及した.