日本口腔科学会雑誌
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特別講演1
世界が注目するUmamiを用いた味覚障害・ドライマウス治療
—歯科医療のブレークスルー—
笹野 高嗣
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2018 年 67 巻 2 号 p. 69

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抄録

“おいしく味わって食べる”ことは人生の大きな喜びであり,そのためには丈夫な歯と顎,そして健全な味覚が重要である。わが国では,味覚障害者が増加し,その原因のひとつとして唾液分泌量の低下(ドライマウス)が知られるようになった。一方,味覚障害およびドライマウスに対する診断と治療は,医科・歯科を問わず十分に普及している現状にはない。
われわれは,Umamiのもつ強い唾液分泌促進作用(味覚-唾液反射)が味覚障害・ドライマウスの改善に有効であることを明らかにし,薬に頼らない安心で安全な治療方法としてUmamiを臨床に応用している。このUmami効果は,最近,イギリスBBCニュースをはじめ世界83のメディアで一斉報道され,Nature誌にも取り上げられた。
本講演では,口腔と全身の健康に関わるUmamiの役割について分かりやすく紹介する。

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