2016 年 32 巻 1 号 p. 3-8
福祉用具のデザインは,身体への適合性や負担の軽減,使いやすさ,情報や操作のわかりやすさ,安全性を条件として,障害のあるユーザーにとって魅力的で,意識せずに使いこなせ,自律した生活を支援し,新しい可能性を提示することによって人生を楽しむことができる製品になっていることが望まれる.そのためには,サービスや製品の企画開発の初期段階で,障害者や高齢者など想定されるユーザーの参加によってコンセプトを立案し,試作した製品の使用評価をするユーザーセンタードデザインの手法が有効である.さらに,地域産業の活性化や海外に発信することができる福祉用具をデザインすることが課題となっている.