日本義肢装具学会誌
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短報
肘関節運動を力源とした前腕能動義手制御システムの開発(第1報)
妹尾 勝利小林 隆司
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2009 年 25 巻 4 号 p. 216-220

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抄録

ハーネスは,義手の懸垂と体内力源の伝達および手先具操作時の sensory feedback において重要な役割を持つ.しかし,ユーザーには体幹部の窮屈さや腋窩ループ部の圧迫感等を生じさせる.目的は,過去に開発された肘関節運動を力源とした前腕能動義手を参考に,現行の部品を使用して体幹部にハーネスを必要としない能動義手を作製する上での課題をモデル義手によって検討することであった.その結果,手先具操作に必要な肘関節可動範囲はケーブルの調整によって異なること,ケーブルは内側走行が適していることなどが示唆された.今後の課題は,抽出した課題を考慮した体験用前腕能動義手を作製し,肘関節運動を力源とした前腕能動義手の実用性を検討することである.

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© 2009 日本義肢装具学会
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