医療
Online ISSN : 1884-8729
Print ISSN : 0021-1699
ISSN-L : 0021-1699
生後7ヵ月に発症し, 卵巣嚢腫を合併した早発思春期症の1例
長町 典夫寺澤 晃司近藤 肇西庄 かほる大塩 猛人
著者情報
ジャーナル フリー

1992 年 46 巻 8 号 p. 670-674

詳細
抄録

生後7ヵ月に発症した早発思春期症を経験したので報告する. 生後7ヵ月に乳房発育, 生後9ヵ月に5日間の出血があり, 生後11ヵ月に性器出血のため当科受診す. 乳房Tanner II度, 陰毛Tanner I度, 性器出血あり. 血中LH濃度2.5mIU/ml, 血中FSH濃度2mIU/ml, E2 57.6pg/ml, LH・RH test反応不良, USGにてMass(-). CT scan, USGにて腫大を認め, 生後4歳10ヵ月に左卵巣嚢腫摘出術を行う. 組織診はfollicular cystであった. 卵胞液のE23 9,800pg/ml. 約6ヵ月経過後に性器出血がみられ, E2 157pg/ml, USGにて左卵巣の腫大あり, 生後5歳3ヵ月に左卵巣嚢腫摘出術を行い, 組織診はluteinized folicular cystであった. 卵胞液のE2 98,700pg/ml.
卵巣性早発思春期症と考えているが, 真性(特発性)も否定できず, 今後は長期にわたる経過を観察していきたい.

著者関連情報
© 一般社団法人国立医療学会
前の記事 次の記事
feedback
Top