1991 年 45 巻 2 号 p. 174-176
40歳男性, 粘血便, 下痢を主訴とし注腸, 大腸内視鏡, 生検所見より左半結腸型の潰瘍性大腸炎と診断された. プレドニゾロン30mg/日及び, salicylazosulfa pyridine4.0g/日の約1年にわたる投与でも, 緩解に導入できず症状持続. 当科入院後経管栄養を併用により一時的に緩解となるも3ヵ月後粘血便出現, 大腸内視鏡, 組織学上活動性であった. プレドニゾロン60mg/日に増量し, 柴苓湯を併用した. 症状は消失し, プレドニゾロン減量が可能となり, 10週後には外来通院となり, プレドニゾロン中止するも緩解を保っている. 柴苓湯にはステロイド効果の増強作用が知られており, ステロイド減量に成功し良好な経過を得た.