医療
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悪性病態における血清シアル酸について
樋口 久晃和田 佳子荒木 英爾
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1987 年 41 巻 7 号 p. 644-647

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抄録

悪性腫瘍(比較的早期の系統的治療開始前183, 進行期103), 非悪性疾患(肝硬変症22), 健常者(103)について, 血清シアル酸を酵素法にもとづき, 遠心方式自動分析装置Cobas Bioにより測定した.
比較的早期の悪性病態において, 血清シアル酸濃度平均値は肺癌で最も高く(76.9mg/dl), 乳癌, 肝細胞癌では低く(それぞれ56.2, 54.1mg/dl), 陽性を呈する例はなかつた. しかし, 進行乳癌では平均69.9mg/dl, 陽性率33.3%と著明な増加傾向を示した.
悪性病態において血清シアル酸濃度はシアロ糖蛋白, ムコ蛋白などと正の相関性を示し, 他の生化学的マーカーとは異なる変動様式をとることを明らかにした.

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