1977 年 31 巻 12 号 p. 1433-1436
喘息児施設を退院後1年以上経過した47名の患者のうち, 爾後調査が可能であつた23名について退院後の予後について検討した.
面接, または郵送質問表により, 過去1年間の発作頻度, 発作重症度, 発作持続時間, 治療内容, ステロイド剤使用量, 入院歴を調査した. 当院に入院前, 入院中についても重症度を決定するための調査を行つた.
入院前と比較すると入院中は良好な経過が得られたが, 退院後23例中8例に悪化がみられた. 退院後の状態は寛解5例, 軽症9例, 中等症3例, 死亡2例であつた. 退院時の重症度と退院後のそれとは関連性がみられた.
退院後も当院での治療が継続されていたが少数の者はときどき副腎皮質ホルモンを使用していた. 退院後の予後は施設療法の内容, 程度に関連すると思われるので, その向上を期したい.