医療
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国立名古屋病院におけるシロツカー手術の適応と手術成績
鈴置 洋三小池 達夫戸谷 良造山岸 英世
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1976 年 30 巻 5 号 p. 432-436

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抄録

我々は最近10年間に114例のシロツカー手術を施行した. その頻度は同期間の総分娩数13, 556例に対し, 0.84%であつた. なお, 本手術の適応は, 主として中後期型習慣性流早産のうち, 妊娠時の内診により, 頸管無力症と確診されたもの(治療的適応11例)及び既往歴, 子宮造影法の所見, 切迫流産徴候により無力症の関与が大きいと考えられたもの(予防的適応103例)と定めた.
手術成績のうち, 本手術の究極の目標である挙児率をみると, 90.4%(103/114)と, 本手術施行前の挙児率20.1%(35/175)に比し著しい改善が認められた. なお治療的適応と予防的適応の間に, 挙児率に有意の差は認められなかつた.
以上の成績より, 本手術は, 中期以後の流早産患者のうち, その無力症が考えられる症例に対し, 治療的, 予防的いずれの適応においても, 有効なものと考える

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