有病者歯科医療
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舌血管腫摘出後に急性尿閉をきたした前立腺肥大症患者の1症例
竹内 伸一石原 朗足立 守安岩田 浩行小谷 英二高井 克憙
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1996 年 5 巻 1 号 p. 66-71

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抄録

今回われわれは, 舌血管腫摘出術後に急性尿閉となった1症例を経験した。患者は83歳男性で, 潜在的な前立腺肥大症であり, 舌血管腫摘出術後に急性尿閉になった。われわれはバルーンカテーテルによる導尿を行った。
後日, バルーンカテーテル除去を行うも尿閉は改善せず, 泌尿器科へ転院とした。同科にての臨床診断は前立腺肥大症であり, 後日, 前立腺摘出術を受け, 摘出された前立腺はかなり肥大していた。
今回の急性尿閉の誘因としては, 前立腺肥大症の潜在, 薬剤性排尿障害, 術後の疼痛, 緊張等による交感神経緊張, 心理的要因など複数の因子が重なり合って発症したものと考えられた。

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© 日本有病者歯科医療学会
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