有病者歯科医療
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下顎智歯抜去を行ったSebastian platelet症候群患者の1例
高木 純一郎宮田 勝岡部 孝一鈴木 円名倉 功坂下 英明
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2003 年 12 巻 1 号 p. 29-34

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抄録

Sebastian platelet症候群は, 1990年にGreinacherらにより報告された, 巨大血小板を伴う血小板減少症と白血球封入体の存在と出血傾向を特徴とする遺伝性の疾患である. 今回われわれは, 本疾患の下顎智歯抜去を経験した. 症例は19歳, 男性で歯科矯正医より智歯抜去依頼にて紹介され当科を受診した. 問診および術前検査において血液疾患を疑い, 諸検査の結果, 血液内科にてSebastian platelet症候群と診断された. 抜歯後の止血管理について検討した結果, 血小板減少患者の抜歯基準に沿って行うこととした. 局所麻酔下で抜歯術を施行し, 局所止血にはアテロコラーゲンの填塞と縫合を行った. 術中および術後に著しい出血などの異常は認めなかった.

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© 日本有病者歯科医療学会
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