1983 年 15 巻 2 号 p. 86-93
小児難治性てんかん, とくにWest症候群, Lennox症候群を中心に生化学的な観点より考察した. その結果, セロトニン代謝機構の上になんらかの異常が推測され, ACTH分泌低下をきたすものと考えられる. 次に脳内GABA量を増量せしめるvalproic acidとACTHとの併用療法によりACTH単独療法よりも勝れた臨床成績が得られ, ラットを用いた動物実験により一層著明に脳内GABA量を増量せしめるという結果を得た. 更に, ケトン食療法の臨床効果について論じ, その作用機序としてはマウスを用いた実験により脳内ATPの有意の上昇を認め, 高エネルギー燐酸の関与が示唆された.