1995 年 43 巻 Supplement4 号 p. 356-361
新しい注射用セフェム系抗生剤cefluprenam (CFLP) を急性単純性腎盂腎炎1例, 複雑性尿路感染症11例, 急性前立腺炎1例に投与し, 以下の結果を得た。
1) 急性単純性腎盂腎炎の1例はUTI判定で著効であり起炎菌はEscherichia coliであった。
2) 複雑性尿路感染症11例中. UTI薬効評価基準合致例は8例で, 著効4例, 有効3例, 無効1例で8例中7例が有効以上であった。
3) 複雑性尿路感染症における分離菌別細菌学的効果は8菌種11株中全株が消失し100%の菌消失率であった。
4) 急性前立腺炎の起炎菌はE. coliであり, 治療後, 菌は消失した。主治医判定は著効であった。
5) 自他覚的副作用は認めず, 臨床検査値ではGOTおよびGPT上昇を1例に認めた。