CHEMOTHERAPY
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造血器悪性腫瘍患者に合併した感染症に対するamikacinとimipenem/cilastatin併用療法の検討
矢口 誠川西 慶一坪井 千洋外山 圭助
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1992 年 40 巻 10 号 p. 1286-1293

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抄録

造血器悪性腫瘍患者に合併した感染症に対しamikacin sulfate (AMK) とimipenem/cilastatin sodium (IPM/CS) を併用投与し, 臨床的効果について検討を行った。
1. 投与量は1日AMK400-800mg, IPM/CS 1.5~2gを点滴静注した。
2. 42症例の臨床効果は, 敗血症4例を含む31例で有効で, 有効率は73.8%であった。
3. 最高血中濃度は, AMK200mgi. v. で14.8μg/ml, IPM/CS 1.0g i. v. で46.5μg/ml, 0.5gで24.2μg/mlであり, これらは, 敗血症4例のいずれの原因菌のMICも大きく上まわった。
4. 発熱時および効果判定時とも穎粒球数が100/μl未満の症例は13症例あり, 有効率は61.5%であった。
5. 発熱時Performance status (PS) による有効率はPS 0~2群80.0%, PS 3-4群64.7%と差を認めた。
以上より, AMKとIPM/CSの併用療法は, 顆粒球減少を伴う造血器悪性腫瘍患者に合併した感染症に対しきわめて有用と考えられる。

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© 社団法人日本化学療法学会
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