CHEMOTHERAPY
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高齢者におけるT-3262 (新ピリドン・カルボン酸系抗菌剤) の体内動態
稲松 孝思深山 牧子加藤 明彦大浦 正晴
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1988 年 36 巻 Supplement9-Base 号 p. 181-186

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抄録

明らかな肝・腎障害のない, 平均78.9歳の高齢者10例に新ピリドン・カルボン酸系抗菌剤であるT-3262150mgを経口投与し, 体内動態を検討した.
空腹時投与群のピーク値は0.24~1.60μg/ml, 尿中回収率 (0~24時間) 17.8%であった.T1/2, Tmax, Cmax, AUCはそれぞれ4.73hr, 1.63hr, 0.66μg/ml, 6.14μg・hr/mlであった.食後投与群のピーク値は0.18~0.91μg/ml, 尿中回収率24.4%であった.T1/2, Tmax, Cmax, AUCはそれぞれ4.50hr, 2.93hr, 0.45μg/ml, 4.09μg・hr/mlであった.
若年ボランティア群における報告値と比較すると, 吸収の低下と, それ以上の尿中排泄遅延により, 高齢者群で高い血中濃度推移を示すものと思われる.

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