CHEMOTHERAPY
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Cefotiam hexetilのマウス, ラット及びイヌにおける体内動態
セフェム骨格成分を中心とした検討
喜多 八洲男浜口 直平井 真一郎今田 哲
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キーワード: 体内動態, マウス, ラット, イヌ
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1988 年 36 巻 Supplement6 号 p. 138-145

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抄録

Cefotiam hexetilのマウス, ラット及びイヌにおける経口投与後の体内動態についてcefotiam濃度を測定することにより検討し, 次の成績を得た。
1. マウス及びラットにおけるcefotiam hexetil 20mg (cefotiam換算量)/kg経口投与時の血漿及び臓器内濃度はマウスでは投与後5~10分, ラットでは投与後15~30分にそれぞれ最高値を示した。臓器内移行性は良好で, 特に肝及び腎への移行が大であった。イヌにおける20mg (cefotiam換算量)/kg投与時の血漿中濃度は投与後1時間に最高値を示し, マウス, ラットのそれに比較して持続的であった。
2. Cefotiam hexetil 20mg (cefotiam換算量)/kg投与時の尿中排泄率はマウスで投与量の23.2%(24時間以内), ラットで8.3%(24時間以内), イヌでは4.7%(6時間以内) で, マウスが比較的高かった。胆汁中排泄率はラットで投与量の8.4%(24時間以内) であった。
3. ラットの腸管におけるcefotiam hexetilの吸収部位は主として十二指腸及び空腸上部であった。
4. Cefotiam hexetilを投与したマウス及びラットの尿中代謝物はいずれもcefotiamが主体であるが, マウスではcefotiamの他に少量のSCE-1006及びSCE-1136が, またラットでは微量のSCE-1006が検出された。
5. マウスにcefotiam hexeti120mg (cefotiam換算量)/kg経口投与した時の血中濃度曲線下面積 (5.1μg・h/ml) 及び尿中排泄率 (23.2%) はcefotiamを皮下投与した時のそれらと比較すると, それぞれ47, 7%及び47.3%であった。

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