CHEMOTHERAPY
Online ISSN : 1884-5894
Print ISSN : 0009-3165
ISSN-L : 0009-3165
Cefoperazoneの胆汁中移行に関する臨床的検討
投与量, 投与法による成績の比較
花谷 勇治浅越 辰男高見 博四方 淳一横山 勲中津 喬義山田 良成斎藤 敏明
著者情報
ジャーナル フリー

1988 年 36 巻 7 号 p. 487-492

詳細
抄録

胆石症術後Tチューブドレナージ施行中の6例を対象に, cefopemzone (CPZ) の胆汁中移行を経時的に測定した。
胆汁中ピーク濃度, ピーク時間および濃度曲線下面積は, 1g single-dose静注 (1g i. v,) 群;748μg/ml, 7.43時間, 5,613μg・h/ml, 2g single-dose静注 (2g i. v.) 群;1,897μg/ml, 6.62時間, 13,536μg・h/ml, 2g60分間点滴静注 (2g d. i. v.) 群;1,855μg/ml, 6.15時間, 11,923μg・h/mlであった。
時間-濃度曲線は緩徐な変動を示し, 投与後10時間の時点においても, 1g i. v.群380μg/ml, 2gi. v.群614μg/ml, 2g d. i. v.群642μg/mlと高濃度を維持していた。
すなわち,(1) CPZの胆汁中移行成績は良好で, しかも, 長時間にわたって高濃度を維持していた。(2) CPZ投与量と胆汁中移行成績は, doseresponseの関係であった。(3) 2g i. v.群と2gd. i. v.群の成績は同等であり, 点滴静注投与によるピークの延長化は認められなかった。

著者関連情報
© 社団法人日本化学療法学会
前の記事 次の記事
feedback
Top