1988 年 36 巻 1 号 p. 19-24
抗真菌剤ミコナゾールを, 重篤な血液疾患に併発した真菌症ならびに真菌症が疑われた発熱患者23例に投与し, 臨床効果と副作用について検討した。
対象症例は, 肺真菌症あるいは真菌性肺炎9例, カンジダ性食道炎1例ならびに真菌性敗血症疑い13例であり, ミコナゾール1回200~400mgを1日2~3回点滴静注した。
臨床効果は, 著効2例, 有効15例, 無効6例で, 73, 9%の有効率であった。
副作用は, 皮疹2例, GOT・GPT・γ-GTP・Al-P・LDHの検査値異常1例のみであった。
以上のことから, 本剤は内臓真菌症や抗生剤が無効な原因不明の発熱に対して, 試みるべき治療薬であると考えられた。