CHEMOTHERAPY
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Carumonamの臨床的研究
二木 芳人岸本 寿男日野 二郎中川 義久角 優築山 邦規副島 林造
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1987 年 35 巻 Supplement2 号 p. 413-417

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抄録

新しいmonobactam系注射用抗生物質carumonam (CRMN, AMA-1080) につき, 細菌学的・臨床的検討を行い以下の成績を得た。
1) 各種臨床分離株に対する抗菌力をcefotiam (CTM), ceftizoxime (CZX), aztreonam (AZT) と比較した結果, Staphylococcus aureusに対しては本剤とAZTはほとんど抗菌活性を示さなかったが, Escherichia coli, Klebsiella pneumoniae, Serratia marcescens, Proteus属についてはMICのピークは, 0.05μg/ml以下と極めて強い抗菌活性を示し, AZTに若干勝る成績であった。P. aeruginosaについては0.39~50μg/mlにMICの分布を示し, やはりAZTにやや勝る成績を得た。
2) 呼吸器感染症6例を対象として本剤1~291日2回点滴で3~9日間使用して, その臨床効果を検討した。臨床効果は有効2, やや有効1, 無効3の有効率33.3%であった。副作用は全例にみられず, また本剤使用前後の検査成績でも異常を認めたものはなかった。

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© 社団法人日本化学療法学会
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