CHEMOTHERAPY
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AC-1370の臨床的検討
武田 元岩永 守登和田 光一森本 隆夫荒川 正昭高頭 正長樋口 英嗣川島 士郎蒲沢 知子
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1984 年 32 巻 Supplement9 号 p. 317-322

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抄録

新しい注射用セファロスポリン系抗生物質であるAC-1370は, グラム陽性菌からグラム陰性菌までの幅広い抗菌スペクトラムを有し, 薬動力学的には, 血中半減期は100分前後で, 主に腎臓より排泄され, 尿中回収率は投与後8時間までに80~90%に達する。
私どもは, 尿路感染症3例, 気道感染症11例, その他1例にAC-1370を使用した。細菌学的効果では, 起因菌の明らかな4例 (S.epidermidisStr. fsecalis1例, E.coliK. pneumoniae1例, Ps. aerugmosa 2例) のうち, 2例に消失, 1例に減少を認め, 残りの1例は不変であった。自他覚所見よりみた臨床的効果では, 有効12例, やや有効1例, 無効1例, 判定不能1例であった。副作用として, 発疹が1例, 発熱と発疹が1例にみられたが, AC-1370によると思われる検査値の異常は全例に認められなかった。

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© 社団法人日本化学療法学会
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