1984 年 32 巻 Supplement2 号 p. 287-291
新しいペニシリン系抗生物質TA-058を呼吸器感染症14例に1回1~29, 1日2回点滴静注し, その臨床効果および副作用を検討した。疾患の内訳は, 下気道感染症8例, 急性肺炎5例, 膿胸1例であった。結果は, 著効2例, 有効10例, やや有効2例で, 有効率85.7%であった。起炎菌別効果では, H. infiuenzae気道感染症6例では5例に菌消失, 1例は不明であった。S. pneumonine急性肺炎3例と気道感染症1例では4例全例菌消失をみた。副作用は, 1例にGPT, A1-Pの軽度上昇を認めたが, 投与中止後正常化した。したがって, TA-058は, 呼吸器感染症の治療に有用な抗生物質と考える。