1984 年 32 巻 Supplement2 号 p. 166-170
TA-058を腹腔内に連日投与したラットの腸内細菌叢の変化を亜急性毒性試験終了時に調査し, さらに細菌叢の経日変化を調べたところ, TA-058に感受性のStreptecoccus faecaltsグループStaphylecocciおよびEscherichia coliは減少し, Enterobacteriaceaeの中でTA-058に非感受性なKlebsiella sp.およびindole (+) Proteus sp.が増加した。この菌叢変化はTA-058の投与開始翌日に認められ, TA-058の投与を中止することにより元の状態に回復したが, 回復の状態はTA-058の投与量が多いほど遅れる傾向を示した。