CHEMOTHERAPY
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Cefoperazone (T-1551) に関する検討
島田 馨稲松 孝思佐藤 京子
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1980 年 28 巻 Supplement6 号 p. 425-430

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抄録

高齢者3名にcefoperazone (CPZ, T-1551) 1g筋注時の血中濃度を測定した。筋注30~60分後に61~87.5μg/mlのpeak値をみとめ, 6時間後も24.5~37μg/mlの血中濃度を示した点, 血中からの消失遅延が著明であり半減期は約4時間と推定された。
臨床的検討では敗血症2例中1例著効, 1例無効, 複雑性尿路感染症4例有効, 肺炎1例有効, 1例無効, 褥瘡感染1例やや有効, 肝・胆道系感染症9例では2例著効, 3例有効, 3例やや有効, 1例無効であった。このなかには肝・空腸吻合後の上行性肝・胆道感染で高熱が続きCPZ投与で初めて解熱した4事例が含まれている。
閉塞性黄疽にともなう肝・胆道感染でCPZ使用中にプロトロンビン時間延長と下血をおこし, ビタミンK投与で回復した例が1例みられた。

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© 社団法人日本化学療法学会
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