CHEMOTHERAPY
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Cefoperazone (T-1551) に関する基礎的・臨床的研究
真下 啓明国井 乙彦深谷 一太福原 徳光渡部 廸男
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1980 年 28 巻 Supplement6 号 p. 385-389

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抄録

新しいセファロスポリン系抗生物質cefoperazone (CPZ, T-1551) について, 2, 3の検討を行なった。臨床材料分離グラム陰性桿菌の感受性を測定し, ひろく各菌種に対して抗菌力を示すことを認めた。大腸菌, クレブシエラについてCEZおよびCTXとのMIC値の相関をみると, 前者よりすぐれていたが, 後者よりはやや劣る抗菌力と思われた。急性肝障害および肝硬変をCCl4で作製したラットに対し本剤を注射し, 血中・胆汁中・尿中移行を検討した。肝障害群は胆汁中移行が減少し尿中排泄の比率が増加した。血中濃度は肝硬変群のみが高値を示した。臨床的には4例に使用した。カテーテル留置中の緑膿菌による細菌尿患者には著効, 術後胆道炎例は有効, 敗血症疑いの不明熱2例はやや有効と判定された。1例に投与後8日目発疹を認め, 中止後消退した。臨床検査値の異常はみとめられなかった。

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© 社団法人日本化学療法学会
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