1980 年 28 巻 1 号 p. 22-25
β-lactamaseに安定なβ-lactam系抗生物質の外膜透過能を評価するための新しい方法を考案した。この方法の原理はperiplasmに存在するβ-lactamaseによる基質の分解に対するこの種のβ-lactam剤の阻害活性を測定するものである。この方法をcarbenicillinの外膜透過能の測定に応用し, R-plasmid由来のampicillin耐性Escherichia coliのcarbenicillinに対する高度耐性は, carbenicillinの細胞外膜透過能が低いためであることを明らかにした。