CHEMOTHERAPY
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小児科領域に於けるCefaclorの臨床的検討
沢井 稔中村 健篠崎 立彦木田 盈四部藤井 良知
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1979 年 27 巻 Supplement7 号 p. 348-354

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抄録

新合成Cephalosporin剤Cefaclorについて, 小児科領域における臨床的検討を行なった。
259例に投与したが, 臨床経過を追跡できたのは221例で, その内訳は急性咽頭炎170例, 急忙化膿性扁桃炎9例, 急性気管支炎14例, 肺炎2例, 化膿性リンパ腺炎6例, 急性尿路感染症2例, 眼瞼膿瘍1例, および当初適応と考えられたがその後の診断確定により適応外として除外した麻疹, 突発性発疹などの疾患17例であった。投与量は1日25mg/kgを原則として, 1日4回に分け, 毎食前と就寝前服用とした。
適応外疾患17例を除く204例のうち, 臨床的に有効経過をとったもの179例, 無効のもの10例, 判定不能のもの15例で, 有効率は94.7%であった。本剤使用前後に咽頭培養を行ない病原性細菌の消長をみたところ, 黄色ブドウ球菌の消失率は18/26 (69.2%), 肺炎球菌7/11 (63.6%), A群溶連菌4/4 (100%), インフルエンザ菌11/25 (44.0%) であった。尿路感染症の1例で血中濃度, 尿中濃度, 尿中細菌数を調べた。
副作用は221例中下痢7例, 嘔吐が1例あり, GOT, GPT, BUNで異常値を示したものはなかった。

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