1979 年 27 巻 5 号 p. 786-789
家兎を用い, 抗菌性quinolone誘導体であるnalidixic acid (NA), piromidic acid (PA), miloxacin (AB-206, MLX) の腎挙動について解析した結果, 次のような点を明らかにすることができた。
(1) NA, PA, MLXはいずれも尿細管において分泌および再吸収を受ける。
(2) MLXの分泌はanion transport mechanismにより行なわれていると考えられる。
(3) MLXの主代謝物であるAB-81の場合, その分泌はMLXとほとんど変らなかった。一方, 再吸収率が減少するため, AB-81は尿中に排泄されやすい。