熱帯農業
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ヒマ (Ricinus communis L.) の花房上における花の着生状況並びに主茎葉数及び葉面積と第1花房の種子収量構成要素との関係
道山 弘康遠藤 明鈴木 仁
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1992 年 36 巻 1 号 p. 21-27

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抄録

結実期のヒマ花房の観察から, ヒマ花房には一本の花房軸があり, その花房軸上に, 軸にそって上部に雌の小花房が, 下部には雄の小花房が2/5枝序で着生していることがわかった.小花房には花が中央に1個 (1次) , その花の花柄下部両側から1個ずつ2個 (2次) , 更にその両側に1個ずつ (3次) というように花が着生しており, この小花房が二枝集散花序であることが明らかになった.小花房当たり果実数は, 花房軸上最下部に着生した結実小花房 (雌の小花房) から上に数えて5番目位の小花房で多く, それより先端部及び基部寄りになるほど少なくなった.以上の観察結果から, ヒマの花房当たり種子収量が花房当たり結実小花房数, 小花房当たり果実数果実当たり種子数, 並びに1粒当たり種子重の積として表されることが明らかになった.主茎葉数及び主茎葉面積は第1花房の種子収量構成要素のうち花房当たり種子収量, 果実数及び結実小花房数と正の相関を示した.また, 主茎葉数よりも主茎葉面積のほうがこれらの種子収量構成要素との相関が高かった.しかし, 葉数及び葉面積と小花房当たり果実数及び種子百粒重との間には明確な関係が認められなかった.

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