デザイン学研究
Online ISSN : 2186-5221
Print ISSN : 0910-8173
ISSN-L : 0910-8173
駅構内コンビニにおけるICカード利用促進のための調査研究
-行動観察手法とグループインタビューの併用による改善策の提案とその効果検証
伊藤 晶子畔柳 加奈子櫛 勝彦滝山 直樹神垣 智一
著者情報
ジャーナル フリー

2016 年 62 巻 6 号 p. 6_85-6_94

詳細
抄録

 首都圏の駅構内コンビニエンスストアにおける交通系ICカード利用率を向上させる方策の検討を目的として、グループインタビュー、観察調査、ワークショップを実施した。その結果、ICカード利用率を向上させるための、複数の改善策を提案することができた。更に、それらの改善策を複数の実際の店舗に適用をして、その効果を検証した。最終的に、これらの改善策により、店舗でのICカード利用率を向上させることができた。また、当初想定していない効果や新たな仮説も導出できた。
 この研究により、駅構内コンビニエンスストアでのICカードの利用率向上のための改善策が提案できただけではなく、そこでの新しいサービスの提供に関する基本的な知見を得ることができた。また、今回採用したデザインプロセスにより、仮説の構築の段階で複数の手法を併用することで、仮説構築に網羅性が出たり、人の意識や行動に関する理解をより深めることが可能となることがわかった。

著者関連情報
© 2016 日本デザイン学会
前の記事 次の記事
feedback
Top