デザイン学研究
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米国におけるデザイングローバリゼーションの動向(<特集>デザインの国際性と地域性)
谷内 健
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1988 年 1988 巻 67 号 p. 5-10

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抄録

本稿は、米国におけるデザイン特性を分析することにより、筆者が日常関心をもっている「デザインのグローバル化」に関して述べたものである。本論は、(1)多様な人種からなる移民を大量に受け入れた「米国」、(2)多様な国々の文化基盤、人種の混合、多様な気候・風土をもつ広大な国土のなかでつくりだされた「ローカルデザインの特性」に着目して、米国における建国当時の欧州文化模倣、「アメリカンデザイン」の発生から「国際的デザイン」として評価を受けるに至る発展過程、その後の環境変化によるアメリカンアイデンティティーの喪失、国家単位を超越した新たなグローバル化への指向など、さまざまなデザイン関連事例を分析し、リジョナルデザイン、ローカルデザイン、グローバルデザイン発生・展開・衰退のしくみの解明を試みている。その結果、近年では、社会生活・経済関係の変化と、デザインの特性の変化に強い関連性のあることが顕著である。両者の関連、その要因、背景に関し論述している。

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© 1988 日本デザイン学会
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