デザイン学研究
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米国市場向モーターサイクルのデザイン : ヤマハトレール250 DT1の開発研究過程(<特集>デザインの国際性と地域性)
岩崎 信治
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1988 年 1988 巻 67 号 p. 11-16

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抄録

日本のモーターサイクルが米国に輸出をしはじめたのは1960年前後である。輸出モデルはどのメーカーも国内用のものをそのまゝ米国向に転用したもので、せいぜい塗色や部品を変える程度であった。米国よりそこはかとなく「トレール」という市場ニーズが知らされても、なかなか理解することができなかった。現地に進出したばかりの営業本社やデザインオフィスの情報ネットができ、日本からの開発チームのフィールドサーベイが可能になってから「トレールの遊び方」が判ってきたのである。輸出史上初の米国専用モデル、ヤマハトレールDT1は1968年に発売された。発売と共に大ヒットとなり米国市場で大成功を収めた。予定外の日本、欧州市場でも新カテゴリーモデルとして大人気で受け入れられた。本稿はデザインを担当した筆者の体験による「研究ノート」である。

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© 1988 日本デザイン学会
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