日本デザイン学会研究発表大会概要集
日本デザイン学会第70回研究発表大会
セッションID: PB-05
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企業組織における「共同的な知の探索」の方法論の探究
「理念浸透」の知の循環を事例とした考察
*瀧 知惠美西村 歩山内 一真田幡 祐斤
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抄録

本稿では、企業組織における知の循環の方法論を探究するために、筆者が所属する株式会社MIMIGURIにおいて知が循環した「理念浸透」プロジェクトのリフレクションを事例として取り上げ、企業組織における「共同的な知の探索」の過程を論じる。 この「理念浸透」プロジェクト事例における知の循環プロセスは、次の6段階で示すことができる。(1)PJリフレクション:個人の知を開く。(2)PJリフレクションシェア会:対話の場で(チームの)知を開き、巡らせる。(3)別文脈への知の展開:結び合わされた知から触発が起こる。(4)知のドキュメント化:個人が知を結び合わせる。(5)PJリフレクションシェア会:対話の場で(個人や組織の)知を開き、巡らせる。(6)別文脈への知の展開:結び合わされた知から触発が起こる。 本事例の考察により、企業組織内で「共同的な知の探索」を促進するには、(1)価値観に迫る問いかけによって、知が開かれること、(2)知を開きあうことで、知の解釈の連鎖が起きていくこと、(3)共に知を探索する対話の場で、新たな知の解釈が生まれることの3種の環境要因が重要であると示唆された。

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© 2023 日本デザイン学会
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