日本デザイン学会研究発表大会概要集
日本デザイン学会 第69回研究発表大会
セッションID: PC-12
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構造色の特徴と可能性
様々な基材への人工オパールの利用に関する研究
*小野 洋介
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キーワード: Pigment, Color, SDGs
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抄録

無色の石鹸水からカラフルなシャボン玉が作られるように、本来無色の物質であっても、特定の色の光を強め合うように反射する構造を形成すると有彩色を発現する。このような構造に由来する色は、構造色と呼ばれる。宝石のオパールの美しい色彩も、構造色であることが知られている。

オパールの構造と色は人工的に模倣することができる。人工オパールは、豊富に存在する酸素とケイ素(シリコン)の化合物として作製することもできる。「サステナブル」や「SDGs」といったワードが頻繁に聞かれるようになった昨今、人体や環境にやさしい人工オパールは、次世代マテリアルとして既存の顔料に置きかわる可能性を秘めている。また、国宝「曜変天目」茶碗のような、“見る角度によって色が変わる”特徴的な色を発現することもできる。

技術と美術の両面に特長があると考え、美工連携となる研究を進めてきた。これらの活動は、IAUD国際デザイン賞2021「未来への提案部門」において銅賞を受賞した。今回は、タイル、アルミ板、紙といった様々な基材に人工オパールを塗布した実例をもとに、一般的な絵具と比較した人工オパールの構造色の特徴や可能性について発表する。

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