日本デザイン学会研究発表大会概要集
日本デザイン学会 第66回春季研究発表大会
セッションID: PB-29
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地域資源の共有に寄与するサイクリングマップの作成と活用
*柴田 一樹泉 菜穂植田 憲
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抄録

観光において、二次交通として利用される交通手段には公共交通機関、自動車、自転車、徒歩が挙げられる。なお、千葉県は平均標高が47都道府県のなかで最も低く、気温も一年を通して温暖であることから、観光とサイクリングを組み合わせた「サイクルツーリズム」への関心が高まっている。また、自転車は、気になった場所ですぐに停車することができる、自動車では入れない細い道にも入ることができる、徒歩で散策するよりも広範囲を回ることができる、などの利点から、地域の魅力を伝える手段のひとつとして有効であると考えられる。
さらに、2017(平成29)年5月から国土交通省より「自転車活用推進法」が施行され、その基本方針の一つに「観光旅客の来訪の促進その他の地域活性化の支援等の施策を重点的に検討・実施する」とある。このことからも、国全体で自転車を活用した地域活性化の取り組みへの機運が高まっているといえる。
そうしたなか、木更津市では2017(平成29)年10月に馬来田地区にて木更津市初の道の駅「道の駅木更津うまくたの里(以下、うまくたの里)」がオープンし、2018(平成30年)年7月からレンタサイクルのサービスを開始した。馬来田地区を中心としたマップは2種類存在するが、自転車で移動できるほどの範囲の情報を掲載したマップは存在しないため、レンタサイクル利用者に向けたサイクルマップを新たに用意する必要がある。
本研究では、自転車の利用者に向けたサイクルマップを作成し、そのマップ上の情報として、馬来田地区を中心とした周辺地域に潜在化する地域資源を掲載することで資源の顕在化を図ることを目的とした。なお、マップ作成の過程においては、地域住民に対して聞き取り調査を積極的に行うことを通して、協同でマップを作り上げていくなかで、地域住民に対して地域資源の再発見・再認識を促すことを目指した。

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© 2019 日本デザイン学会
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