2003 年 15 巻 3 号 p. 238-244
局所麻酔下に関節鏡視検査を行ったクローズド・ロック症例41名41関節を対象として, 顎関節への局所麻酔後の開口域ならびに増加量と癒着の有無との関係について解析した。
癒着が存在する患者の局所麻酔後の開口域と増加量は, 癒着がないものと比較して有意に小さかった。開口域が39mm以上ないし増加量が11mm以上の症例には, 癒着が存在する確率は0%であった。一方, 開口域が38mm以下の症例において癒着が存在する確率は80%, 増加量が10mm以下の症例では75%であった。
局所麻酔後の開口域と増加量測定は, パンピングや関節洗浄療法を施行する際に, 癒着の有無を診断するための簡便で有効な方法と考えられた。