1989 年 1 巻 1 号 p. 27-39
臨床的に顎関節内障と診断した37人の, 下関節腔造影法についての検討を報告した。全ての顎関節造影像が, 顎関節円板の位置的形態的異常を示した。すなわち, 顎関節内障の存在については, 臨床的診断と下関節腔造影診断の一致がみられた。しかし, 顎関節内障は様々な関節円板の形態変化を伴うことが予想され, これら関節円板の形態変化を臨床的に診断することは困難な場合が多いと考えられた。その様な例で, 顎関節円板を客観的にとらえるには, 下関節腔造影法が非常に有用であった。