日本臨床救急医学会雑誌
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症例報告
ステロイド補充療法を行い敗血症性ショックより離脱した2例
三原 結子土肥 謙二弘重 壽一八木 正晴三宅 康史新藤 正輝有賀 徹
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2005 年 8 巻 3 号 p. 240-245

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抄録

敗血症性ショックの患者においてはコルチコステロイドの必要量が増す一方で,副腎機能不全やステロイド耐性によリステロイドの相対的欠乏をきたすことが知られている。われわれはステロイド補充療法を行い,敗血症性ショックから離脱した2例を経験したので報告する。症例1は72歳男性,症例2は60歳男性。ともに肺炎に伴い敗血症性ショックをきたした。カテコールアミンの持続投与を行っても血圧が改善せず,hydrocortisone 50mg 6時間ごとの投与により循環動態の著明な改善を認めた。hydrocortisoneは7日間同量の投与を行い,以後漸減した。hydrocortisone投与前の血清コルチゾール値は症例1では3.3µg/dl,症例2では14.6µg/dlであり,ともに低値を示していた。敗血症性ショックをきたした患者においては,適量のステロイド投与による循環動態の改善や死亡率の低下が報告されている。とくに,基礎疾患を有している,カテコールアミンに反応しないなどの場合は常にステロイドの相対的欠乏の可能性を念頭におき,補充療法を行うことが重要であると思われる。

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© 2005 日本臨床救急医学会
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