日本臨床救急医学会雑誌
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症例報告
病院前救護においてAutoPulse®️の使用が蘇生に奏効したと思われる心肺停止患者の1例
坪井 謙八坂 剛一田村 洋行榎本 真也中山 祐介藤原 俊文百村 伸一
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2011 年 14 巻 4 号 p. 524-528

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抄録

病院前救護においてAutoPulse®️の使用が蘇生に奏効し,神経学的予後が良好であった心肺停止(cardiopulmonary arrest,以下CPA)患者の1例を経験した。症例は40歳,男性。自宅内で卒倒し呼名に反応しないため救急要請された。bystanderによる心肺蘇生はなかった。覚知6分後に患者と接触したが,心電図モニター上心静止であった。覚知9分後より心肺蘇生を開始し,AutoPulse®️を装着・作動開始した。覚知17分後当院搬入時心静止であったが,その後心室細動となり計4回の除細動にて心拍再開した。左冠動脈回旋枝に閉塞を認め,冠動脈ステント留置術を施行した。術後低体温療法を施行し,第39病日に自立生活可能となり退院した。CPAの病院前救護においてAutoPulse®️の有用性が示唆された。

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© 2011 日本臨床救急医学会
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