日本臨床救急医学会雑誌
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原著
大阪府豊能医療圏における救急隊到着までに自動体外式除細動器(AED)が装着された症例についての検討
林 靖之川村 光喜東 孝次甲斐 達朗
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2009 年 12 巻 3 号 p. 312-316

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抄録

はじめに:近年自動体外式除細動器(以下AED)がさまざまな場所に設置されるとともに, これを用いた市民による除細動(PAD)事例が散見されるようになってきた。そこで2006年からの2年間に豊能医療圏でAEDが装着された症例について検討した。結果:症例数は2006年に3例,2007年に7例であった。場所は公立施設3,老健施設3,駅1,ゴルフ場1,温泉施設1,サービスエリア路上1であった。装着者の多くは施設職員であった。電気ショックが実施されたのは7例で,そのうち5例が心拍再開し入院,3例が1か月生存している。AEDの事後解析は6例に実施され,3例がVFで除細動適応であった。ほかの4例は解析が困難であった。また事後解析できたVF事例に対して実施者事後面談による心のケアを行った。結論:AED装着事例は徐々に増加している。今後このAEDの問題点に関する対策を地域医療圏で講ずることが重要と考えた。

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© 2009 日本臨床救急医学会
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