生体医工学
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抄録
容量結合型電極を用いたウェアラブルな筋疲労検知システムの開発
小林 敬裕岡田 志麻
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2017 年 55Annual 巻 4AM-Abstract 号 p. 304

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抄録

本誌では筋疲労を筋が期待する力を発揮できない状態と定義する.今回我々は運動中における筋疲労に着目した.運動中は交感神経が有意に働くことで筋を必要以上に酷使したり,症状を楽観視し無理をしたりするケースがある.これらは怪我やオーバーワーク,運動効率の低下に繋がる恐れがある.そのため運動中に筋疲労を検知できるシステムが必要であると考えられる. 従来の筋疲労検知方法に筋電位を用いた方法があるが,筋電位計測には一般に粘着ゲルを含む電極が使われる.この電極は粘着ゲルによる皮膚のかぶれ,再使用できないこと,金属アレルギーを引き起こす恐れがある.そのため本研究では従来の電極に代わる筋疲労検知システムを開発することを目的とする. 開発システムにはコンデンサの原理を応用した容量結合型電極を採用した.本システムは筋電位導出用の導電布と皮膚表面との間に絶縁体を挟んだ構造をとりコンデンサが形成されることで筋電位の導出が可能となる.そのため粘着ゲルによる皮膚のへの影響がなく,繰り返し使用することもできる. 本実験では被験者5名を対象にフットサル前後における前脛骨筋の筋疲労を開発システムより評価する.結果として,筋疲労を検出できた被験者は少なかった.要因としてフットサルによる負荷が十分ではなかったことを含め実験条件が不明瞭であったことが考えられる.そのため実験条件を明確化した上で再度実験を行う予定である.

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© 2017 社団法人日本生体医工学会
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