2002 年 50 巻 3 号 p. 355-361
マハタの種苗生産で発生するウイルス性神経壊死症 (VNN) の防除を目的として, PCR法を用いたウイルス遺伝子検出による親魚の選別, オキシダント海水による受精卵消毒, およびオゾン処理海水による仔魚の飼育を実施した。その結果, 2000年~2001年の8例の飼育例全てでVNNの発生は認められず, 稚魚まで生産することができた。取り上げた稚魚を砂ろ過海水で飼育したところ, 4例の飼育例全てでVNNによる大量死が発生したのに対し, オゾン処理海水での7例の飼育例全てで引き続きVNNの発生は認められなかった。以上の結果からこれらの対策は, マハタ種苗生産におけるVNN防除対策として有効であると判断された。