2000 年 48 巻 3 号 p. 565-569
弱アルカリ性電解水の水産増養殖への利用を目的として,ミズカビ病原因菌Saprolegnia parasitica NJM8604株に対する殺菌効果を検討した。
電解水は無隔膜式の電解装置を用いて作製した(pH8.2,残留塩素量30mg/l)。電解水の殺菌効果は,遊走子に対する発芽阻止効果(麻の実培養法)および菌糸に対する発育阻止効果(寒天培地培養法)によって評価した。
電解水の残留塩素の遊走子に対する最小発芽阻止濃度は2.5~5mg/l(1分間処理),7.5mg/l(10秒間処理)であった。菌糸に対する最小発育阻止濃度は30mg/l(60分間処理)であった。したがって電解水はミズカビ病の防除にとって有効な薬剤となる可能性がある。