2021 年 69 巻 4 号 p. 307-316
これまで,赤潮被害といえばハマチやカキ養殖およびノリ等の色落ちなど西日本におけるものが主でありましたが,本年秋にはこれまで赤潮被害の影響を受けないであろうと考えられていた道東太平洋沿岸でも,ウニやサケ・マスなど増養殖対象種の大規模な赤潮が原因と考えられる被害が報告されています。本公開講演では,この道東太平洋沿岸で発生した赤潮に関する調査を手掛ける地方独立行政法人北海道立総合研究機構水産研究本部の嶋田宏氏,西田芳則氏および赤潮をはじめとするプランクトンに詳しい北海道大学名誉教授の今井一郎先生に,本件の発生状況,特徴および今後の見通しについて解説して頂きます。本講演を行うことで,道東太平洋沿岸で発生した赤潮に関する情報が共有され,赤潮被害の対策をたてるきっかけとなることを期待して開催させて頂きます。