日本生気象学会雑誌
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液晶体温計「MT-II」に関する臨床試験成績
入江 伸天本 敏昭木村 良司田中 孝一宮城 研
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1994 年 31 巻 4 号 p. 165-173

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抄録

新しい小型軽量の口腔用液晶体温計「MT-II」の臨床試験を実施した.I.MT-IIと水銀体温計を用いて5分間の口腔温測定を行い比較検討した.各測定値の差は, 0.07±0.09℃ (mean±SD, n=186) であり, 各測定値の間には高い相関が認められた (r=0.946, p<0.001, Y=0.938X+0.364, n=186) .従って, MT-IIは水銀体温計と同等の口腔温測定精度をもつといえた.II.同一のMT-IIを反復使用した時の精度について検討した.安定した口腔温測定値が得られ, 非臨床試験でも使用後に劣化は見られなかった.従って, MT-IIは21回以内の繰り返し使用が可能であるといえた.III.MT-IIでの口腔温測定時間を, 180秒, 120秒, 90秒と短縮した場合に, 水銀体温計5分間での測定値と比較した.測定値の差はそれぞれ, 0.11±0.07, 0.15±0.09, 0.19±0.10℃ (mean±SD, n=62) であった.従って, MT-IIは90秒以上の測定で実用上有用な口腔温の指標が得られるといえた.

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