日本生気象学会雑誌
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ラットにおける体温恒常性の加齢変化
浅木 恭
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1989 年 26 巻 2 号 p. 97-103

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抄録

体温恒常性維持能の環境温依存性について, 老齢ラットを用い検討した.人工気象チャンバー内温を環境温として20℃に維持し, ラットを30分以上チャンバー内に放置後, 環境温を20℃から毎時10℃で変動し始め, 0℃から30℃の範囲で6時間かけて1サイクル変動し, 無拘束下におけるラットの直腸温を測定した.さらに, 呼気ガス分析による酸素消費量を環境温10℃と25℃について測定した.
(1) 1サイクルの環境温変化に対する直腸温の変動軌跡を見ると, 加齢により, 低環境温で直腸温の低下およびヒステリシス現象を示した.
(2) 中性環境温では, 老齢動物においても体温恒常性が維持された.
(3) 体重当りの酸素消費量は, 加齢により低環境温下で低下した.
以上から, 低環境温下では熱産生の低下を伴って恒常性が維持されないことが明らかになった.

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