日本生気象学会雑誌
Online ISSN : 1347-7617
Print ISSN : 0389-1313
ISSN-L : 0389-1313
時差による睡眠障害の時間生物学的研究
佐々木 三男遠藤 四郎高橋 敏治大滝 紀宏森 温理
著者情報
ジャーナル フリー

1984 年 21 巻 1 号 p. 43-51

詳細
抄録

時差ボケのなかでも, とくに発生頻度の高い睡眠障害について, その睡眠内変化に焦点をあて時間生物学的な検討を加えた.
結果は, 5時間以上の時差地域をジェット機で移動すると明らかな睡眠変化が起り, その内容はつぎのとおりであった.
1) 東方飛行では, 到着地の夜間睡眠で, 徐波睡眠の増加とレム睡眠の減少がみられ, 睡眠内周期の乱れが目立った.
2) 西方飛行では, 睡眠内周期は保たれているが, レム睡眠の増加と時間の分布に異常がみられている.
3) 南方飛行では, 多少の徐波睡眠増加以外には著変はみられなかった.
以上, 今回は, 時差による睡眠変化そのものだけに絞って検討を加えた.現地に睡眠リズムが適応するまでの時間, 東西での差などについては省略した.

著者関連情報
前の記事 次の記事
feedback
Top