日本口蓋裂学会雑誌
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口蓋裂幅,鼻咽腔の深さと鼻咽腔閉鎖機能獲得期間との関連
新垣 敬一砂川 元平塚 博義新谷 晃代仲盛 健治天願 俊泉大山 哲生前川 隆子
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2002 年 27 巻 3 号 p. 279-285

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抄録

口蓋裂の治療においては,適切な時期に手術を行うことによって,良好な鼻咽腔閉鎖機能と言語成績が得られることが各施設から報告されている.術後の鼻咽腔閉鎖機能獲i得に関連する因子としては,裂型,術前の破裂形態をはじめ多くの要因が考えられるが,その結果は後の言語治療の成績を左右する重要な因子である.今回著者らは,裂型,術前の破裂幅と咽頭腔の深さを調べることにより,その破裂形態と鼻咽腔閉鎖機能獲得期間と関連する因子を明らかにすることを目的として本研究を行った.
結果:1.破裂幅と咽頭腔の深さに鼻咽腔閉鎖機能獲i得期間との関連が認められた.2.術前評価と鼻咽腔閉鎖機能獲得期間との関連がみられ,破裂幅と咽頭腔の深さのどちらかが10mm未満でありかつどちらも最大16mmを越えないものにおいて鼻咽腔閉鎖機能獲得期間が比較的短い傾向が認められた.

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© 一般社団法人 日本口蓋裂学会
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